中央市場の仕組み

 中央卸売市場は、市民の食生活に欠かす事のできない生鮮食料品等を日本国内はもとより、諸外国からも集荷して適正な価格をつけ、速やかに分荷し、市民の台所へ送る役割を担う公設の市場です。2021年現在、全国で40都市に66市場が開設されています。

 私たちが業務をしています京都市中央卸売市場第一市場は、日本の中央市場の先覚として、昭和2年に全国で初めて開設されました中央卸売市場です。この場所は古くは延暦13年(794年)平安京遷都に伴い、朱雀大路の東西に置かれた東市(ひがしいち)・西市(にしいち)とほぼ同じ場所に位置しています。

流通の仕組み

京都市中央卸売市場第一市場は、昭和2年(1927年)12月に日本で最初に開設した中央卸売市場で、農産品(野菜、果物)、水産品(生鮮水産物、加工水産物)のほか、漬物、乾物、佃煮、鳥肉、鳥卵等を扱っています。面積は、甲子園球場の約4倍もあり、場内業者の従業員数は4,000人となっています。

第一市場内には、京都市衛生環境研究所第一検査室があり、食の安全・安心を確保する為に食品の検査業務と監視業務や、市場内の全業者を対象に食中毒の予防を含めた食品衛生に関する講習会及び相談や指導を行っています。

商品の仕入れ(取引)方法
せり取引

売り手(卸売業者)が、多くの買い手(仲卸業者等)に競争で値をつけさせ、一番高い値をつけた人に物品を販売する取引方法です。第一市場の青果では、指で数字を示す「手やり」を用いています。

相対取引 【あいたいとりひき】 

売り手と買い手が話し合って、数量や価格を決める取引方法です。せり取引は公開性に優れた取引方法ですが、価格変動が大きく、安定供給に不安があります。その為、相対取引と併用することで安定した価格で青果物をお届けすることが可能となります。

市場流通の関係機関及び業者等
開設者(かいせつしゃ)

農林水産大臣の認可を受けて、施設の整備や維持管理、卸売市場法等に基づく取引の指導監督などを行う機関のことです。本市場の開設者は京都市です。

関連事業者(かんれんじぎょうしゃ)

開設者の許可を受けて、市場の業務に従事する人や買出人等の市場に出入りする人の便宜を図るために、加工食料品卸販売業や飲食業、倉庫業、運送業等の業務を営む業者をいいます。

卸売業者(おろしうりぎょうしゃ)

農林水産大臣の許可を受けて多種多様な生鮮食料品等を全国各地や外国から継続的に集荷し、仲卸業者や売買参加者に販売することを業務としています。卸売業者は、委託又は買付で集荷し、せり売りもしくは入札又は相対の方法で販売します。

仲卸業者(なかおろしぎょうしゃ)

中央卸売市場内に店舗を持ち、卸売業者から買い付けた物品を細かい単位に仕分け、調整し、小売業者、大口需要者等に販売することを業務としています。仲卸業者は、専門的な立場から消費者に代わって品物を評価し、市場における価格形成に重要な役割を果たしています。仲卸業者が業務を行うには、品目の部類ごとに開設者の許可を要し、業務について開設者の監督を受けます。

売買参加者(ばいばいさんかしゃ)

開設者の承認を受け、卸売業者の行う卸売に直接参加し、物品を買い受ける権利を持っている小売業者又は大口需要者(大型スーパーマーケット等)であり、仲卸業者とともに卸売業者の卸売の相手方となるものです。